時計の針を2012年に戻そう。当時のワイドショーは連日、この話題でもちきりだった。二股交際という、エンターテインメント界では致命的とも言えるスキャンダル。涙ながらに記者会見を開いた塩谷と、凛とした態度で事実を認めつつも毅然と前を向いた冨永。メディアは面白おかしく彼らの関係を消費し、世間は野次馬的な視線で叩き続けた。しかし、あれから14年が経過した今、あの熱狂を覚えている者はどれほどいるだろうか。
情報の消費スピードが異常に加速した現代において、過去の過ちは瞬時に埋もれ、また新たなスキャンダルが上書きされていく。だが、当事者たちにとっての14年は、決して「忘却」だけで片付けられるものではなかったはずだ。それぞれの場所で、彼らは己のアイデンティティと向き合い続けてきた。