「着けるだけで背筋がピンと伸びる」と謳う製品が多い一方で、購入者の間では「外したら元に戻る」「かえって背中が痛くなった」という落胆の声が後を絶ちません。猫背矯正ベルトが効果なし、あるいは逆効果と言われてしまう背景には、人体の構造に関わる明確な理由が存在します。
最大のデメリットとして挙げられるのが、姿勢を支える筋肉のサボり癖です。背筋を支える脊柱起立筋や肩甲骨を寄せる菱形筋(りょうけいきん)の役割をベルトの張力に頼り切ってしまうと、これらの筋肉が自発的に働く機会を奪われます。結果として体幹の筋力が低下し、ベルトを外した瞬間に以前よりも姿勢が崩れてしまう悪循環に陥るわけです。
さらに、強い圧迫力で無理やり胸を開こうとすると、胸郭が締め付けられて呼吸が浅くなる弊害も生まれます。酸素の摂取量が減ることで血行不良を招き、肩こりや頭痛の悪化につながるケースも少なくありません。ベルト本来の役割を履き違え、「強制的に固めれば治る」と過信してしまうことこそが、逆効果を生む根本的な原因です。