2019年にリニューアルオープンした平壌の最高級商業施設「大成(テソン)百貨店」や、中国合弁の「光復(クァンボク)地区商業中心」に足を踏み入れると、異様な光景が広がっています。文具・玩具売り場には、お馴染みの赤いリボンをつけたハローキティのノート、ペンケース、リュックサック、さらにはぬいぐるみまでがずらりと並べられています。
現地を訪れた外国人観光客や外交官の手記によると、ハローキティだけでなく『ドラえもん』や『くまのプーさん』、ディズニーのキャラクターグッズも目撃されています。特筆すべきは、これらが隠れて売られているのではなく、富裕層(トンジュ=金主)や党幹部のファミリー層向けに、堂々と目立つ棚で取り扱われている点です。
平壌市内のエリート層が通う幼稚園や小学校では、キティ柄のリュックを背負った児童が登下校する姿も珍しくありません。かつて徹底された「反日・反米」のイデオロギー教育と、実生活におけるキャラクター消費の著しい乖離が、平壌の店頭で浮き彫りになっています。