気象の変動に最も敏感に反応しているのが、県を代表する基幹産業である農業と水産業だ。特に「有田みかん」で知られる有田川流域の果樹園では、日照時間と降水量のバランスが糖度や品質を左右する。2026年の春先に見られた不規則な降雨に対して、農家側はAIを用いた最新の気象予測システムを導入し、水管理の自動化で品質維持を図る取り組みを進めている。
沿岸漁業の現場でも気象データは不可欠だ。勝浦港のカツオ・マグロ漁や、紀南の沿岸養殖業では、風向きや波高だけでなく海水温の微細な変化をリアルタイムで追跡している。時化(しけ)の予測精度が高まったことで、漁船の安全確保と効率的な出航計画が両立できるようになってきた。