1990年代、芸能界の熱気は絶頂を迎えていた。その中心にいたのが、ジャニーズ事務所のアイドルグループSMAPのメンバーとして飛ぶ鳥を落とす勢いだった木村拓哉だ。フジテレビ系ドラマ『ロングバケーション』や『HERO』で見せたナチュラルでありながら洗練された演技とファッションは、若者たちのバイブルとなった。ロングヘアにカジュアルなTシャツ、ブーツ。彼が身につけたアイテムは翌日には街中から消えると言われるほどのカリスマ性を発揮していた。
一方、工藤静香もまたソロアーティストとして独自の確固たる地位を築いていた。おニャン子クラブの会員番号38番として注目を集めた彼女は、瞬く間にグループ屈指のボーカリストへと成長。ソロ転向後は『MUGO・ん…色っぽい』などの大ヒット曲を連発し、80年代末から90年代のJ-POPシーンを力強く牽引した。日本テレビやフジテレビの音楽番組で見せる儚げでミステリアスな雰囲気、そして芯のある歌声は、同世代の女性たちの憧れの的だった。