2015年夏の分裂宣言から始まった抗争劇は、長期化の末に決定的な局面を迎えている。かつて袂を分かった神戸山口組は相次ぐ幹部の離脱や組織の弱体化により、当初描いた主導権奪還のシナリオから大きく後退した。六代目山口組の圧倒的な組織力と執拗な圧力を前に、離脱派の拠点は次々と孤立。かつてのような大規模な銃撃戦こそ減少したものの、個別の拠点に対するダンプ特攻や奇襲といったピンポイントの圧迫は、相手側の継戦能力を確実に削ぎ落としていった。
双方が「特定抗争指定」を受ける中で、組事務所の使用制限や5人以上の集合禁止といった厳しい法的縛りが課された。結果として生じたのは、物理的な暴力の応酬以上に苛烈な「兵糧攻め」である。事務所に集まることすら禁じられた末端組員たちの間には厭戦気分が蔓延し、資金力に勝る本流側が徐々に包囲網を狭める構図が決定づけられた。