抜釘を希望する場合、「骨折のネジを抜く時期の目安」を逃さないことが極めて重要です。標準的な時期は骨癒合が完全に確認された「術後半年から1年半以内」とされています。
なぜタイミングが重要かといえば、体内留置から2年、3年と長期間が経過すると、金属ネジの周囲に強固な新生骨が過剰形成され、ネジ頭が骨の中に埋没してしまうためです。埋没したネジを無理に回そうとするとネジ穴が潰れる(なめる)、あるいはスクリュー自体が骨の中で破断し、完全に抜去できなくなるトラブルが発生します。
抜釘手術に伴う主なリスクと合併症
「抜釘手術のリスクと合併症」として、医療チームから必ず説明を受ける項目は以下の通りです。
- 抜釘直後の再骨折:ネジを抜いた後の骨には、ネジの直径に相当する「空洞(スクリューホール)」が残ります。この穴が新しい骨で完全に充填されるまでには約2〜3ヶ月を要するため、抜釘直後に過度な負荷をかけると、穴を起点に再骨折を起こす危険性があります。
- 末梢神経の損傷・感覚鈍麻:一度切開した部位を再度切り開くため、周囲に癒着した微小な知覚神経が刺激され、一時的な皮膚の痺れや感覚低下が残ることがあります。
- 術後感染症:再手術による切開創から細菌が侵入するリスク。
骨ネジの緩み(スクリュー弛緩)の原因と自覚症状
固定具を残している場合に注意すべきなのが「骨ネジの緩みの原因と症状」です。骨粗鬆症による骨密度の低下、骨癒合が完了する前の過度な早期荷重、あるいは微細な骨吸収によってネジと骨の固定性が失われる現象を指します。
緩みが生じると、「歩行時や動作時に患部の奥でカチカチと軋むような音がする」「治癒したはずの場所が再びズキズキと腫れて痛む」「皮膚の表面にネジの先端が突起として浮き出てくる」といった症状が現れます。これらの兆候が出現した場合は、プレートの破断や偽関節(骨がくっつかない状態)を防ぐため、速やかな受診と再手術が必要です。