「輪をかける」とは、すでにある一定のレベルに達している状態や性質に対し、さらにその度合いが激しくなる、または一段と際立つことを表す慣用句です。副詞的に「輪をかけて〜だ」の形で使われることが多く、前の状態と比較して「なおのこと激しい」「倍加している」という強調のニュアンスを持ちます。
多くの人が「輪をかけて」を「輪をかけて図々しい」「輪をかけて経営が悪化する」といった悪い意味の文脈で耳にするため、ネガティブ限定の言葉だと誤解しがちです。しかし、本来の日本語の用法において否定的な限定はありません。
実際には「以前にも増して素晴らしい」「一段と磨きがかかった」という意味合いで、「輪をかけて美しい」「輪をかけて仕事の手際が良い」と表現しても文法的に正解です。ただし、現代の日常会話ではマイナス方向の変化に対して使われる比率が高まっているため、相手を褒める際に用いる場合は文脈への配慮が求められます。