脚本を担当した北川悦吏子は、後に「恋愛ドラマの神様」と称されることになるが、その真骨頂が遺憾なく発揮されたのが本作だ。音のない世界に生きる晃次と、声と言葉で表現する演劇の世界に身を置く紘子。対照的な二人の断絶と融合を描くにあたり、北川は言葉の無力さと、同時に言葉が持つ狂おしいほどの力を冷徹なまでに描き分けた。
そのドラマツルギーを完璧な音楽で包み込んだのが、DREAMS COME TRUEによる主題歌『LOVE LOVE LOVE』である。イントロのアカペラからサビの爆発的な高揚感に至るまで、紘子の溢れんばかりの恋心と切実な祈りがメロディそのものに昇華されている。主題歌シングルは200万枚を超えるメガヒットを記録し、ドラマの劇伴と主題歌が一体となって視聴者の記憶に焼き付くという、90年代テレビカルチャーの金字塔を打ち立てた。