ムンクの叫び作者の衝撃真相!実は叫んでいない理由と壮絶な生涯の全貌にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。
一般に『叫び』と呼ばれる絵画は、実は1枚だけではありません。ムンクは自らの内面テーマを追求するため、1893年から1910年の間に異なる画材を用いて4つの主要バージョン(および多数の白黒リトグラフ版画)を制作しました。現在それらがどこに保管され、どのような歴史を辿ってきたのかを以下の比較データに整理しました。
制作年・技法所蔵美術館(現在)主な歴史・事件・評価額編集部の見解・特徴1893年制作
油彩・テンペラ・パステルオスロ国立美術館
(ノルウェー・オスロ)1994年の冬季五輪開会式当日に盗難被害。50秒で強奪され「杜撰な警備をありがとう」とメモが残された。3ヶ月後に無事奪還。最も知名度が高いオリジナル第1作。左上に謎の鉛筆書きが存在する重要文化財。1893年制作
パステル画ムンク美術館
(ノルウェー・オスロ)習作段階のスケッチ的要素が色濃く残るバージョン。非公開期間が長い。構図の試行錯誤が如実に見て取れ、画家の生々しい筆致と迷いが直接伝わる。1895年制作
パステル画個人蔵
(米投資家レオン・ブラック氏)2012年米サザビーズのオークションにて1億1992万ドル(当時のレートで約96億円)で落札。当時の美術品競売最高額。4点の中で唯一の個人コレクション。額縁にムンク自筆の詩が彫り込まれているのが最大の特徴。1910年頃制作
テンペラ画ムンク美術館
(ノルウェー・オスロ)2004年に白昼堂々、武装強盗団に強奪される。2006年に回収されたものの角部分に修復困難な水濡れ被害が残る。最も色彩が鮮烈で不気味な後期作。現在は最新の湿度・温度管理ガラスケース内で厳重保護。
とりわけ美術界を震撼させたのは、1994年と2004年に起きた2度の白昼堂々たる盗難事件でした。1994年の事件では、リレハンメル五輪の開幕で警備の手薄になったオスロ国立美術館の窓ガラスを割り、梯子を使ってわずか50秒で1893年版が持ち去られました。後に英米警察の国際的なおとり捜査によって無傷で回収されたものの、美術館の防犯体制の甘さが世界中から痛烈に批判されました。
さらに2004年のムンク美術館での事件では、覆面をした武装集団が一般来館者の眼前で銃を突きつけ、壁から1910年版の『叫び』と代表作『マドンナ』を強奪。2年後に奇跡的に警察が発見したものの、湿気や摩擦による不可逆的な損傷が残る結果となりました。これら悲劇的な受難を経て、現在オスロの臨海部に新設された新「ムンク美術館(MUNCH)」および新生「ノルウェー国立美術館」では、最新鋭のセキュリティと厳格なローテーション展示体制が敷かれています。