最初に結論を明示する。豆苗は猫にとって「少量なら命に関わる毒ではない」が、「積極的に与えるべき食材」でもない。栄養学的には、豆苗はβカロテン・ビタミンC・ビタミンK・葉酸・カリウムをバランスよく含む緑黄色野菜だ。しかし猫は完全肉食動物であり、植物性ビタミンの吸収効率は極めて低い。つまり「栄養を与えている」という飼い主の認識は、ほぼ自己満足に終わる。
むしろ注目すべきは消化の側面だ。豆苗の茎には強靭なセルロース繊維が縦方向に走っており、猫の短い消化管では分解されにくい。これは猫草(燕麦やエノコログサ系)の若芽と比べても繊維が硬く、長い。獣医師の臨床報告では、豆苗の長い繊維が胃内で絡まり毛玉と結合し、巨大なフェルト状異物になって吐き出せず、内視鏡摘出に至った事例が2026年以降、大学動物病院を中心に散見される。