炭治郎の戦闘スタイルは、育手である鱗滝左近次から学んだ「水の呼吸」から、実家に代々伝わる厄払いの舞「ヒノカミ神楽」へと劇的な転換を遂げます。このヒノカミ神楽こそが、戦国時代に鬼殺隊を最強へ導いた「日の呼吸」そのものでした。
炭治郎が身につけている特徴的な「花札風の耳飾り」は、日の呼吸を生み出した最強の剣士・継国縁壱(つぎくに よりいち)から、炭治郎の先祖である炭焼きの炭吉(すみよし)へと手渡された歴史的遺産です。縁壱は自分の類まれな才覚を誇ることなく、貧しい炭焼き一家を鬼から救い、家族のように温かく接してくれた炭吉一家に感謝の証として耳飾りを託しました。炭吉は縁壱の美しい剣技を目に焼き付け、それを神楽の舞として後世に伝えることを誓います。こうして、血縁関係のない炭焼きの竈門家に、途絶えるはずだった日の呼吸が「文化的な舞」と「耳飾り」という形で約300年以上にわたり脈々と継承されていきました。
炭治郎の放つ技一覧を振り返ると、「水面斬り」や「生生流転」といった柔軟な水の呼吸から、「円舞」「火車」「灼骨炎陽」「飛輪陽炎」といったヒノカミ神楽の苛烈な技へと昇華していきます。そして無惨との最終決戦では、12の型を途切れなく円環状に繰り出し続けることで完成する「第十三の型」へと至りました。これは、無惨の体内に存在する複数の心臓と脳を同時に攻撃し続けるための唯一無二の絶技であり、歴史を越えた約束の結実でした。