じゃがいもを原因とする食中毒で死亡する可能性はあるのかという疑問に対し、医学および公衆衛生学的な見解は「条件が重なれば死亡に至る」というのが事実です。じゃがいもの芽や緑色の皮に含まれる天然毒素 チャコニンおよびソラニンは、神経伝達物質を阻害するステロイドアルカロイド配糖体(グリコアルカロイド)と呼ばれる強い毒性を持ちます。
厚生労働省の公開データや国内外の医学文献によると、成人のソラニン・チャコニンにおける致死量は体重1kgあたり約3〜6mg(体重50kgで150〜300mg程度)と推定されています。また、わずか20〜40mg(体重1kgあたり約0.4〜0.8mg)の摂取でも頭痛、腹痛、激しい嘔吐や下痢といった中毒症状が発現します。
日本国内における近年の統計では、迅速な医療搬送と対症療法の確立により成人・児童ともに死亡事例は極めて稀ですが、過去には海外を中心に複数の死亡事故が医学誌に記録されています。特に1950年代から1970年代にかけての欧州の報告では、長期間保管されて過度に発芽・変色したじゃがいもを大量消費したことによる死亡例が報告されており、決して侮ることはできません。