テレビの画面からあの黄色い着物が消えても、彼の日常が静まり返ることはなかった。むしろ、スケジュール帳は以前よりもカラフルになっているという。高座への出演はもちろん、執筆活動やイラストレーターとしての仕事、さらには若手落語家たちへの稽古など、そのバイタリティは衰える気配を見せない。
「暇になるとボケちゃうからね」と笑う彼の表情は、現役時代そのものだ。毎週の収録という重圧から解放されたことで、より自由で、より深い笑いの追求が可能になったのだろう。彼の存在は、定年や引退という概念に縛られがちな現代人に対し、「人生の後半戦こそが本番である」という強いメッセージを放っている。