全国に数千カ所存在する道の駅や産直市場の中で、なぜ伊都菜彩が売上日本一の理由として揺るぎない地位を築いているのか。その背景には、単なる「観光ブーム」にとどまらない、JA糸島と地元生産者が構築した極めて合理的な流通プラットフォームが存在します。
第一の強みは、糸島半島内の登録出荷者数が約1,350名に達し、毎朝出荷される圧倒的な品目数と鮮度です。糸島市は平野部での米・野菜栽培、山間部での果樹や畜産(糸島牛・糸島豚)、そして玄界灘に面した沿岸部での沿岸漁業がコンパクトに共存する全国的にも稀有な「食材の宝庫」です。この多様な一次産業がすべて伊都菜彩という単一拠点に集約されます。
第二に、生産者を鼓舞する高度なPOSリアルタイム通知システムの存在が挙げられます。農家が出荷した野菜や果物が売れると、数分以内に生産者のスマートフォンへ販売データが通知されます。売り切れが確認されると、農家は畑から追加の朝採れ野菜を即座に収穫・追加入荷するため、店内には常に「獲れたて」が並び続ける仕組みです。中間マージンを最小限に抑えた直売価格と、デパ地下以上の鮮度が共存していることこそ、プロの料理人から一般消費者までを惹きつけてやまない決定打といえます。