田中裕子の人生を語る上で欠かせないのが、トップスター・沢田研二(ジュリー)との運命的な恋と結婚劇です。
ふたりの出会いは1982年公開の映画『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』での共演でした。劇中で恋人役を演じたふたりは急速に惹かれ合い、やがて本物の恋愛へと発展します。当時、沢田研二は前妻との婚姻関係にあったため、ふたりの関係は芸能マスコミから苛烈なバッシングを受けることとなりました。
過熱する報道のなかでも、田中裕子は一切の弁明や言い訳を口にせず、ただ静かに沈黙を守り続けました。一方の沢田研二もまた、巨額の慰謝料を支払って前妻と円満に離婚。不誠実な逃避ではなく、互いへの揺るぎない覚悟を示したふたりは、約7年におよぶ歳月を経て1989年11月に島根県の出雲大社で挙式を行いました。
純白の白無垢に身を包んだ田中裕子の清廉な姿と、彼女をしっかりと支える沢田研二の佇まいは、「世間の風評を乗り越えた真実の愛」として人々の記憶に刻まれました。スキャンダルを乗り越えて一途な愛を貫いたふたりの絆は、今なお芸能界屈指の純愛として語り継がれています。