現代の検索エンジンは、ユーザーが「関心を持ちそうなワード」を自動で提案する。これがサジェスト機能だ。誰かが悪意なく「森本毅郎の息子はどうしているのだろう?」と検索し、別の誰かが「最近事故のニュースが多いな」と検索する。検索エンジンはこれらの文脈を無視し、単語の組み合わせとして関連性が高いと判断してしまうことがある。
一度サジェストに載ってしまえば、それを見た別のユーザーが「何かあったのか」とクリックする。このループが繰り返されることで、存在しない事件がネット空間に「事実」として定着していく。これこそが、現代のデジタルタトゥーの最も恐ろしい側面であり、アルゴリズムが加担するデマの再生産システムなのだ。