変革の波を受け入れた紫波町役場の決断も、特筆に値する。前例踏襲を美徳としがちな官僚組織において、民間のビジネススピードに合わせ、自らの権限を適切に民間へ委ねることは容易ではない。しかし町は、国からの交付金に頼る従来型の地方創生・都市計画から脱却する覚悟を決めた。
町役場自らがオガールエリアへと移転し、図書館や地域診療所、商業施設と一体化する構造を採用。役場を「手続きをするだけの場所」から「住民が日常的に集い、交流するハブ」へと再定義した。縦割り行政を打破し、都市計画マスタープランと民間事業の整合性を柔軟に保ち続けた役場職員たちの献身が、机上の空論で終わりがちだった公民連携を現実の街並みへと着地させた。