『メロディー』は、1996年5月22日に玉置浩二のソロ通算10枚目のシングルとして世に送り出されました。同年7月にリリースされた大ヒットアルバム『CAFE JAPAN』にも収録され、玉置自身が出演したフジテレビ系ドラマ『コーチ』の挿入歌としても広く親しまれました。
本作が生まれた1990年代半ば、玉置浩二は大きな転換期を迎えていました。1980年代に一世を風靡したロックバンド・安全地帯は、1993年に2度目の活動休止に突入。精神的にも肉体的にも疲弊し、プレッシャーに苛まれていた玉置は、都会の喧騒を離れて長野県軽井沢の地に拠点を移し、自然に囲まれながら自らの音楽と向き合っていました。
当時の原曲制作にまつわるエピソードとして知られているのが、アコースティックギター1本を抱え、静寂の中で紡ぎ出されたメロディラインの存在です。商業的なヒットを狙うのではなく、己の心の奥底にある純粋な記憶や痛みをそのまま音と言葉に変換したからこそ、時を経ても風化しない剥き出しの純度を誇る名曲が誕生しました。