六麓荘町を歩くと、整然と並ぶ巨大な邸宅群に圧倒されます。この景観を生み出している最大の要因が、芦屋市が定める条例と町内会による建築協定の二重の防壁です。
六麓荘町内では、芦屋市景観地区条例および地区計画に基づき、敷地面積の最低限度が400平方メートル(約121坪)以上と定められています。これにより、一般的な住宅地で頻発する「土地の細分化」やミニ開発が物理的に不可能となっています。
さらに、建物の用途は一戸建て専用住宅のみに限定されており、以下のような建築物は一切認められていません。
・分譲マンション・賃貸アパートなどの集合住宅
・コンビニエンスストア・スーパー・飲食店などの商業施設
・ホテル・旅館などの宿泊施設
・オフィスビル・工場・倉庫
・病院や診療所(住居兼用の小規模なものを除く)
建物の高さも原則10メートル以下(2階建て以下)に制限され、敷地境界からの後退距離や、敷地面積に対する緑化率(30〜40%以上の緑地確保)も厳しく義務付けられています。この徹底した用途規制が、静寂に満ちた住環境を維持する強固な防波堤となっています。