2003年の開業以来、約18年間にわたって東大阪市長田西の地で営業を続けてきた極楽湯東大阪店。連日多くの入浴客で賑わっていた同店が、なぜ幕を下ろさざるを得なかったのか。その背景には、単一の要因にとどまらない3つの複合的な事情が存在していました。
最大の決定打となったのは、土地オーナーとの間で交わされていた定期建物賃貸借契約の期間満了です。大規模な温浴施設は、20年前後の長期借地契約を結んで出店するケースが一般的です。東大阪店も契約更改のタイミングを迎え、事業継続か撤退かの重大な経営判断を迫られていました。
さらに追い討ちをかけたのが、温浴プラントや配管など大型設備の老朽化です。開業から20年近くが経過した温浴施設では、ボイラーや循環ろ過器、サウナヒーターの全面刷新に億単位の設備投資が必要となります。契約更新にあたって莫大な修繕コストを回収できるかどうかが大きな焦点となっていました。
そこに直撃したのが、2026年以降のコロナ禍による生活様式の変化です。度重なる時短要請やサウナ利用制限、外食事業の低迷により、温浴業界全体が深刻な減収に直面しました。不透明な収益見通しの中で巨額の更新費用を投じることは困難と判断され、惜しまれつつも2026年5月末での営業終了という苦渋の決断が下されました。