渡瀬恒彦さんが息を引き取ったのは、2017年3月14日午後11時18分のことでした。搬送先の東京都内の病院で静かに旅立ち、死去した年齢は72歳。公表された直接の死因は多臓器不全でしたが、その根本にあったのは約1年半前に宣告された胆嚢がんでした。
異変が起きたのは2015年秋。定期的な体調不良をきっかけに精密検査を受けたところ、進行性の胆嚢がんが見つかりました。医師からは極めて厳しい病状であることが伝えられたものの、渡瀬さんは仕事を休むことを極力拒み、通院による抗がん剤治療と放射線治療を選択します。
副作用による体重減少や激しい倦怠感に襲われながらも、周囲には病気の深刻さを一切見せませんでした。撮影の合間を縫って入院治療を行い、体調が少しでも上向くとすぐさまスタジオへ向かうという、凄まじい気力で病魔と対峙し続けたのです。しかし2017年2月中旬、左肺の気胸を発症して緊急入院。懸命な治療が続けられましたが、徐々に体力が奪われ、最後は家族に見守られながら静かに息を引き取りました。