子役・少女スターとしての枠を脱し、大人の女優へと成熟した彼女は、実験的でエッジの効いた映画作品でも強烈な光を放ちました。その代表作の一つが、大林宣彦監督の商業映画デビュー作となった伝説のカルトホラー『HOUSE ハウス』(1977年)です。
鰐淵晴子が演じた主人公の美しい継母役は、少女たちを惹きつける妖艶さとミステリアスな不気味さを見事に体現し、作品に重厚な陰影を与えました。さらに深作欣二監督の『火宅の人』や時代劇『影の軍団』シリーズなど、演技派女優としての幅広い表現力を証明する出演作を次々と残します。正統派の枠にとどまらず、アヴァンギャルドな世界観や悪女役すらも自らの美学で演じ切る姿勢は、同業の映画人からも高く評価されました。