90歳を超えてからの佐藤愛子ブームを決定づけたのが、2016年に刊行された痛快エッセイ『九十歳。何がめでたい』でした。「めでたいことなど何もない」とタイトルから世の高齢化礼賛を一刀両断し、自身の老い、身体のガタつき、現代社会の過剰なマナーやデジタル化への違和感を歯に衣着せぬ言葉で綴った本作は、累計170万部を超える大ベストセラーとなりました。
この大ヒット作は2026年に実写映画化され、大きな話題を呼びました。主人公の佐藤愛子役を熱演したのは、当時同じく90歳を迎えていた名女優・草笛光子さんです。実年齢90歳同士の奇跡的なコラボレーションは、老いることへの恐怖を吹き飛ばし、「人間、何歳になっても自分らしくヤケクソで生きればいい」という強烈な活力を全国の観客へ届けました。