これまで肥満症治療の主役だったGLP-1受容体作動薬は、自己注射が前提だった。冷蔵保存の手間や注射針への心理的抵抗感は、患者にとって決して小さくないハードルだ。この常識を根底から変えようとしているのが、現在臨床試験の最終段階を迎えている経口非ペプチドGLP-1受容体作動薬「オルフォルグリプロン」である。
化学合成で製造可能なこの小さな一錠は、生産コストを劇的に下げ、世界的な供給不足を一気に解消する特効薬と目される。食後すぐに服用できる利便性は、多忙なビジネスパーソンや高齢層への浸透を加速させるはずだ。市場関係者の間では、承認されれば既存の自己注射薬市場のシェアを瞬時に塗り替える「ゲームチェンジャー」になると囁かれている。