フレネミーの最大の特徴は、敵意をむき出しにして攻撃してくる一般的な敵とは異なり、「あなたの一番の理解者」というポジションを取りながら近づいてくる点にあります。外見上は親切で人当たりがよく、周囲からも「面倒見のいい人」「社交的な人」と評価されているケースが珍しくありません。しかし、その内面では激しい劣等感と優越願望が渦巻いており、無意識または意図的に相手を心理的トラップへと追い込みます。
代表的な手口の一つが、賞賛のなかに巧妙な侮辱を忍ばせる「バックハンデッド・コンプリメント(裏のある褒め言葉)」です。例えば、「〇〇さんって要領がいいよね。私みたいに泥臭く努力しなくても上司に気に入られて羨ましいな」「その服、体型をうまく隠せていて似合っているよ」といった具合に、表面上は褒めつつも、受け手に「自分は実力がないのではないか」「体型に難があると言われたのか」という微細な毒を植え付けます。指摘すれば「そんなつもりで言ったんじゃないのに、深読みしすぎだよ」と被害者面をされるため、言われた側だけが消化不良のモヤモヤを抱え込むことになります。
また、集団のなかで「マウンティング女子」として振る舞う人物も、フレネミー化しやすい典型例です。2人きりのときは親身に接してくるにもかかわらず、他人がいる場に出ると急に「〇〇さんって、こういうドジなところがあるから私がフォローしてあげなきゃいけないの」と、親切心を装って相手の欠点や失敗談を暴露します。周囲に対して「自分の方が一枚上手である」という序列を誇示し、ターゲットの社会的評価を密かに切り崩していくのです。