2003年の単行本刊行直後からミステリ界隈に激震を走らせた本作は、宝島社主催の『このミステリーがすごい!』で第1位を獲得しただけでなく、「本格ミステリ・ベスト10」第1位、第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞し、主要アワードを総なめにする快挙を成し遂げました。
『葉桜の季節に君を想うということ』のあらすじは、かつて私立探偵事務所に勤めていたフリーの何でも屋・成瀬将虎(なるせ まさとら)が、地下鉄のホームで飛び降り自殺を図ろうとしていた麻宮さくらを救い出す場面から幕を開けます。さくらとの出会いをきっかけに心を通わせていく将虎のもとに、後輩の久高から「身内が悪質な霊感商法・健康食品詐欺に騙されている」という相談が持ち込まれます。
その疑惑の中心にあるのが、謎多き会員制組織「蓬莱倶楽部」でした。将虎は調査のため、精力的にトレーニングジムや組織の関係先へと潜入を開始します。ハードボイルドな探偵活劇と甘美な恋愛小説の要素が巧みに交錯しながら、物語は予測不能のクライマックスへと突き進んでいきます。