この博物館の歴史は、1953年に医学博士の亀谷了(かめがい さとる)氏が私財を投じて設立したことに始まる。戦後の混乱期、衛生環境の悪化に伴い寄生虫病が蔓延していた時代に、博士は研究と予防啓発の重要性を痛感したのだった。
当時収集された貴重な資料や文献は、今や日本の公衆衛生史を語る上で欠かせない文化財となっている。さらに近年の地球温暖化やグローバル化に伴い、新たな感染症や寄生虫の生態変化が懸念される中、こうした蓄積されたデータの重要性は増すばかりだ。温故知新の言葉通り、半世紀以上前の研究成果が、令和の最新医学や生態学にインスピレーションを与え続けている。