ネット掲示板やSNSでは、仕事を一切与えられない状態を「究極の社内ニート」「給料をもらいながら自由時間が手に入る勝ち組」と揶揄する声が少なくありません。事実、一部の社員は「追い出し部屋での資格勉強」やプログラミングの学習、転職活動のリサーチに業務時間を充て、涼しい顔で高額な給与を受け取り続けるケースも実在します。しかし、これを実践し続けられるのは極めて例外的なメンタル耐性を持つ人物に限られます。
人間にとって「他者から一切必要とされない状態」「存在を透明化される感覚」は、想像を絶する心理的苦痛を伴います。心理学における感覚遮断や孤立化実験が示す通り、有意義な活動を奪われ、同僚から「追い出し部屋給料泥棒」という冷ややかな視線を向けられ続ける環境は、自己肯定感を根底から破壊します。
さらに見落とせないのが、「キャリアの完全な断絶」という市場価値の毀損です。2年、3年と実務から遠ざかることで、同世代のビジネスパーソンが最新スキルや実績を積み上げるなか、自身の職務経歴は空白同然となります。40代・50代であれば逃げ切れるという算段があっても、役職定年による大幅な基本給の引き下げや、定年後の再雇用拒否といった形で、最終的に手痛いしっぺ返しを受ける構造が待ち受けています。