二人の初対面となった『徹子の部屋』の放送日は、2011年7月11日。東日本大震災からちょうど4カ月が経過したタイミングでした。多くの海外アーティストが来日をキャンセルするなか、ガガは「日本のために何かをしたい」と強い意志を持って来日を果たしました。
スタジオに現れたガガの姿は、まさに圧巻の一言でした。頭上にそびえ立つ巨大なタワー状のヘアスタイルに、身体のラインを覆い尽くす構築的な黒のロングドレス。足元には優に30センチを超える特注のヒールを履き、黒柳徹子の身長を遥かに凌駕する圧倒的な存在感でセットへと足を踏み入れたのです。
しかし、スタジオの空気を一変させたのは、外見のインパクト以上にガガが仕掛けた「極上の演出」でした。黒柳徹子といえば、頭の玉ねぎヘアから飴玉を取り出してゲストに配る名物パフォーマンスで知られています。対談の序盤、ガガは自身の巨大なヘアスタイルにそっと手を伸ばすと、なんと中から日本の伝統的な飴玉を取り出し、満面の笑みで黒柳へ手渡したのです。
「あなたへのプレゼントよ」と差し出された飴玉を受け取った黒柳は、目を丸くして驚愕したのち、少女のような歓声を上げて破顔しました。相手のカルチャーと名物芸を完璧に予習し、敬意を込めてユーモアで返したガガの振る舞いは、名司会者・黒柳徹子の心を一瞬で解きほぐしました。