SNSや知恵袋等のコミュニティを調査すると、「身長145cmの成人女性だが、肩ベルトが常に顎に擦れて痛い」「助手席に乗るたびベルトを手で引っ張って浮かせてしまう」といった小柄なドライバー・同乗者からの切実な悩みが数多く確認できます。
こうした人々が直面するのが「子供用ジュニアシートの体重制限の壁」です。市販されている多くのジュニアシート(ブースターシート)は、ECE R44/04規格で体重15kg〜36kg、新基準ECE R129でも身長150cmまでを対象に開発されています。体重40kg〜50kg台の成人が子供用プラスチック製ブースターシートを使用すると、衝突時の過大荷重でプラスチックフレームが破砕し、かえって重大な刺創や怪我を負う危険性があります。
また、近年普及している携帯型ベルト調節具「スマートキッズベルト」についても、成人の使用可否について疑問の声が多く寄せられています。メーカーの公式適合基準は体重15kg〜36kg(目安年齢3歳〜12歳)と定められており、強度の認証試験もこの重量範囲で行われています。成人の体重で衝撃が加わった場合、クリップ部分の破断やベルトの抜け落ちが発生する恐れがあるため、大人がスマートキッズベルトを代用することはメーカーおよび安全工学の観点から推奨されません。