国会やメディアで議論が続く選択的夫婦別姓をめぐり、希少苗字の「保存」という観点から新たな論点が浮上している。少子化が進む現代日本において、一人っ子の女性が結婚により改姓することで、何百年も続いていた家名が途絶えてしまうケースが後を絶たないからだ。
都内に住む40代男性は、全国に2世帯しか存在しない苗字の唯一の後継者だ。「自分の代でこの名前が消えてしまうかもしれないと思うと、歴史のバトンを落とすような強烈なプレッシャーを感じる」と明かす。個人の選択権と、文化的資産としての苗字をどう守り継ぐか。問題は個人の領域を超え、社会全体の課題へと広がりを見せている。