一方の彼は、弁護士としてのキャリアを地道に、かつ先鋭的に積み重ねてきた。憲法改正論議や表現の自由をめぐる訴訟など、司法の立場から権力を監視する姿勢は一貫している。メディアでのコメンテーターとしての露出は一時期に比べ落ち着いたものの、法曹界における実務家としての評価は崩れていない。
政治権力にすり寄るのではなく、法秩序の枠組みから社会をアップデートするという彼のスタンスは、あの騒動によって一時的に泥を塗られた形になった。しかし、司法の独立性を重んじる彼の言説は、現在の混沌とした政治状況においてこそ、冷静な羅針盤として機能している側面もある。