映画監督やドラマ演出家が口を揃えて塚地武雅を起用したがる理由は、画面に登場した瞬間に生まれる「圧倒的な生活感とリアリティ」にあります。作り込んだ芝居ではなく、まるで実在する隣人のようにそこに佇む技術は、天性の人間観察力とお笑いで培った「間(ま)」のセンスに裏打ちされています。
現場での評判として特に際立つのが、共演者の芝居を自然に引き出す「受けの演技」の上手さです。自分が前に出るだけでなく、主役を引き立てながらシーン全体の温度感を調整する能力に長けており、現場の空気を穏やかにまとめる温厚な人柄も相まってスタッフ受けが抜群に良いとされています。
哀愁、ユーモア、狂気、そして無償の優しさまで、体型やビジュアルのインパクトを活かしつつもステレオタイプに陥らない立体的な人物造形ができる点こそ、名バイプレイヤーとして第一線で支持され続ける最大の原動力です。