現在、演芸ファンの間で大きな話題を呼んでいるのが、日本芸術文化振興会によって進められている最新デジタルアーカイブプロジェクトだ。建て替えが進む国立演芸場で記録された膨大な名演フィルムの中から、貞水の「立体怪談」完全ノーカット版が高精細4Kリマスターで発掘され、関係者向けプレビューを経て順次公開の運びとなっている。
当時のビデオテープでは捉えきれなかった暗闇のグラデーションや、貞水の微細な表情の変化、さらには客席が息を呑む空気感までが生々しく再現されている。劇場の空気そのものを閉じ込めたこの貴重な映像群は、昭和から平成にかけて演芸界の頂点を極めた怪談の真髄を、余すところなく伝えている。