2026年6月29日、大分県別府市野口原の交差点。赤信号で停車していたバイク2台に対し、八田が運転する軽乗用車は制限速度を大幅に超える猛スピードでノーブレーキのまま追突した。跳ね飛ばされた大学生2人のうち1人が死亡、1人が負傷。現場にブレーキ痕は一切残されていなかった。事件直前に市内の商業施設で被害者側から言動を注意されたことに腹を立て、執拗に後を追った末の凶行とみられている。
当初、大分県警察および別府警察署は本件を道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で捜査を開始した。だが、衝突の凄まじさと故意性を物語る現場状況から、遺族や支援者らは「これは過失による事故ではなく、明確な殺意を持った襲撃だ」と強く主張。罪名を殺人容疑や危険運転致死傷罪へと変更することを求める署名活動を展開した。ABEMA Primeなどの報道番組でもこの法的課題は大々的に取り上げられ、日本の報道ジャーナリズム全体を巻き込む議論へと発展している。
時速100キロ近い速度で突っ込み、散乱する破片と倒れ伏す被害者を一瞥もせず現場から裸足で逃走した男。その行動原理は、過失運転の枠組みを遥かに逸脱している。法解釈の壁に挑み続ける遺族の執念は、警察庁を動かし、前例のない厳罰適用に向けた捜査体制の強化へと結びついた。