この前代未聞の危機を収束させたのは、皮肉にも被害者であるはずの妻・佐野量子だった。京都の自宅前に詰めかけた無数の報道陣に対し、彼女は逃げ隠れすることなく姿を現した。トレードマークだったかつての愛らしい笑顔を浮かべながら、夫の愚行について語り始めたのだ。
「怒りましたよ、もちろん。こっぴどく叱りました」
感情的に喚き散らすのではなく、毅然として、しかしどこかユーモアを交えて夫の非を認める姿は、メディア関係者の度肝を抜いた。「主人はお酒を飲むとフレンドリーになりすぎる」「夜這いでもかけられたら大変ですから、自宅の鍵を内側から締め出せるチェーンロックに変えました」と明かし、取材陣を爆笑させた場面は今や伝説的ですらある。
だが、その朗らかな笑顔の裏には極めて現実的かつ厳格な「誓約」が存在していた。二度と同じ過ちを繰り返させないための徹底した行動管理、夜間外出における門限の厳罰化、そして何より「家庭の主導権は完全に妻が握る」という力関係の再定義である。夫を公の場で晒し者にして破滅させるのではなく、プライベートで完全に手綱を引き締める。佐野量子の振る舞いは、芸能史に残る究極の危機管理として今なお語り継がれている。