日本中の誰もが「江口洋介=ロン毛」と認識していた1990年代後半、彼は大きな決断を下します。トレードマークだった長髪をバッサリと切り落とし、黒髪の精悍なショートヘアへと劇的なイメージチェンジを図ったのです。
短髪へとシフトした決定的な理由は、1999年にスタートした医療ドラマの金字塔『救命病棟24時』で天才外科医・進藤一生を演じるためでした。命の最前線である過酷な救命救急センターで、緊迫した手術に挑む医師としてのリアリティを追求するには、長髪を残したままでは説得力に欠けると判断したのです。
30代を迎えた江口洋介自身の中にも「ひとつのイメージに縛られず、俳優として次のステージへ進みたい」という強い意志がありました。周囲の反対やファンからの驚きの声もありましたが、結果として『救命病棟24時』シリーズは大ヒットを記録。トレードマークを脱ぎ捨てたことで、彼はビジュアル先行のトレンディ俳優から、重厚な人間ドラマを背負える名実ともにトップの本格派俳優へと見事な脱皮を遂げました。