本場のフィッシュ&チップスを語る上で欠かせない相棒が、大麦麦芽から作られるモルトビネガー(Malt Vinegar)です。穀物酢特有の芳醇なコクと柔らかな酸味を持ち、日本の一般的な米酢とは一線を画す深い風味を誇ります。
食べ方の基本は、揚げたてのフィッシュと太切りのチップス(フライドポテト)に対し、底に溜まるほど惜しみなくビネガーを振りかけ、粗塩を振るスタイルです。お酢の酸味が油の重たさを劇的に中和し、さっぱりとした後味へと変化させます。酸味は熱で適度に角が取れ、麦芽の香ばしい旨みだけが魚と衣に染み渡ります。
さらに本場の英国パブでは、付け合わせとして青エンドウ豆を煮崩したマッシーピーズ(Mushy Peas)や、スパイシーなカレーソースを添えるのが伝統です。これらをフィッシュやチップスに絡めながら、コクのあるエールビールやラガーとともに流し込むのが、何百年と受け継がれてきたパブ文化の醍醐味です。