「カメレオン」の歌詞全文を解釈していくと、そこには「相手に合わせて自分を変色させてしまう悲哀」と「それでも理解されたいと願う切望」という二律背反の感情が渦巻いていることがわかる。相手を愛するがゆえに、相手が望む自分を演じ続けてしまう。しかし、完璧に化ければ化けるほど、本当の自分が誰であったのかを見失っていく。
「僕の知らない君」を探し求めながらも、自分自身もまた「君の知らない僕」を隠し持っているという痛切なジレンマ。独自考察として浮き彫りになるのは、この曲が単なる失恋ソングではなく、ありのままの自分を見せることへの恐怖と、それでも誰かとつながりたいという人間の根本的な欲望を描いている点だ。身に纏う保護色は、傷つかないための防具であり、同時に本当の愛を遠ざける壁にもなっているという皮肉が、痛いほど胸に刺さる。