黒川雅之の神髄に迫る:Moma名作「Gom」から最新構想の全貌

黒川雅之の神髄に迫る:Moma名作「Gom」から最新構想の全貌

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黒川家を語る上で避けて通れないのが、兄・黒川紀章の存在だ。兄がメガストラクチャーやカプセル建築を掲げ、都市の増殖を謳うメタボリズムの旗手として世界を駆け巡ったのに対し、雅之の視線は常に「ミクロの空間」と「身体感覚」へと沈潜していった。

巨大な建築スケールで未来を切り拓こうとした兄と、手のひらの触覚から空間デザイン全体を再構成しようとした弟。一見すると対極のアプローチだが、その根底には父・黒川巳喜から受け継いだ建築的DNAと、日本特有の「間」に対する共通の問いかけが流れていた。兄が都市のダイナミズムを構造化したとすれば、雅之は障子越しに差し込む光のような、微細な気配を空間に定着させた。この対比は、戦後日本デザイン史における最も贅沢で刺激的な対話のひとつと言える。

林 結菜
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林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。