『週刊少年ジャンプ』を発行する集英社にとって、『ドラゴンボール』は出版史を塗り替える怪物タイトルとなった。初期の冒険活劇から激しいバトル・ファンタジーへと路線がシフトしていく中で、筋斗雲の役割も変化していった。舞空術という自力飛行技の登場によって前面に出る機会は減ったものの、物語の「原点」としての象徴性は失われなかった。
悟空の息子である孫悟飯が通学に筋斗雲を使う描写など、作品の節目で再び登場させることで、鳥山明は「冒険の原初的なワクワク感」を読者に想起させ続けた。集英社が築き上げた王道バトル漫画のDNAには、常にこの黄色い雲が漂っている。