街中の自販機が消える最大の引き金となっているのが、設置オーナー側が直面している急激な固定費の上昇です。なかでも自販機の電気代高騰は、個人オーナーや小規模事業者の経営を直接揺さぶっています。
飲料自販機は24時間体制で冷却・加温を行っているため、省エネ性能が進んだ最新機種であっても月に数千円から1万円以上の電気代が発生します。電気料金プランの値上げが続いた結果、「毎月の販売手数料(マージン)よりも電気代の支払額のほうが高い」という逆転現象が各地で頻発し、これが自販機オーナーの赤字理由の筆頭となっています。
これに追い打ちをかけたのが新紙幣対応改修コストです。千円札をはじめとする紙幣の識別機(ビルバリデータ)を新券対応にアップデートするには、1台あたり数万円から十数万円規模の改修・交換費用が発生します。薄利で稼働していた自販機にとって、この突発的な設備投資はあまりにも重く、「改修費用を投じるくらいなら、これを機に撤去・解約したい」と判断するオーナーが続出しました。