古巣復帰を語る上で、象徴的なハードルとしてメディアやファンの間で囁かれているのが、前田健太 背番号18 カープの継承問題だ。前田がMLBへ旅立った後、球団の誇るエースナンバー「18」は空き番号の時期を経て、ドラフト1位で入団した森下暢仁投手に託された。森下はその重責に応え、新人王の獲得や日本代表入りを果たすなど、名実ともに現在のカープの顔となっている。
過去の球界の慣例では、大功労者が復帰する際に後輩が番号を譲るケースも見られた。しかし、礼儀と周囲への気配りを重んじる前田健太が、後輩のエースから番号を奪うような形を望むとは到底考えにくい。実際、新井貴浩監督自身が阪神からカープへ電撃復帰した際、かつて背負った「25」ではなく「28」を選択し、一から泥にまみれてチームに溶け込んだ前例がある。
前田が復帰する場合、背番号問題はどう着地するのか。考えられるシナリオは2つある。ひとつは、前田が若手時代の出世番号や別の象徴的な番号を選び、「新しい挑戦」としてマウンドに立つ選択肢。もうひとつは、森下が敬意を込めて18番を前田に返上し、自身は別の特別な番号(かつての大野豊氏が背負った24番など)を受け継ぐ形だ。いずれにせよ、この背番号の処遇ひとつをとっても、指揮官である新井監督のきめ細やかな配慮と対話力が試されることになる。