結論から言うと、「お気持ちお察しします」を目上の人(上司・取引先・先輩など)に対して使うのは避けるべきです。
言葉の成り立ちを見ると、「お(接頭辞)+気持ち+お(接頭辞)+察し+します(丁寧語)」で構成されており、文法上は丁寧語として成立しています。しかし、ビジネスシーンにおいて失礼とされる最大の理由は、「察する」という動詞が持つ意味と視点にあります。
「察する」には「相手の心境や状況を外部から推し量る・見抜く」という意味が含まれます。相手に対して「あなたの辛さや悔しさは私にすべて分かっています」と同調する態度は、立場が上の人間から下への発言であれば成立しても、目下の側から使うと「他人の事情を知ったような口を利く」「偉そうに同情している」と受け取られかねません。
相手の胸中を完全に理解することなど誰にもできないからこそ、目上の相手には「推し量る行為」自体を極めて謙虚に表現するか、相手の心中を決めつけずに「ご苦労を案じる姿勢」を言葉にする配慮が求められます。