大動脈の破綻によって命を落とした芸能人や著名人の事例を振り返ると、発症から死に至るまでのスピードが極めて速いことが特徴として挙げられます。
個性派俳優として親しまれた阿藤快さん(享年69)は、2015年11月、自宅のベッドで静かに息を引き取っているところを発見されました。死因は「胸部大動脈瘤破裂」。直前の仕事現場でも普段と変わらぬプロ意識を見せていましたが、亡くなる数日前から「背中が張る」「背中が痛い」と周囲に漏らし、マッサージ店に通っていたことが報じられています。この背部痛こそが、破裂直前の大動脈が発していた切迫したサインでした。
また、落語家でタレントの笑福亭笑瓶さん(享年66)の経緯も社会に大きな衝撃を与えました。笑瓶さんは2015年12月にゴルフのプレー中、急性大動脈解離を発症。このときは幸いにもドクターヘリによる迅速な緊急搬送が実を結び、約2週間の入院を経て見事に復帰を果たしました。しかし、それから約7年余りが経過した2026年2月、再び急性大動脈解離を発症し、帰らぬ人となりました。一度寛解・回復したとしても、血管全体の管理がいかにシビアであるかを物語る事例です。
さらに、アニメ監督の今敏さんや名バイプレイヤーとして活躍した数々の俳優陣も、心血管系の急変によって命を落としています。統計上、大動脈瘤破裂による突然死の割合は心疾患全体の約1割を占めるとされ、発見が遅れた場合の致死率は極めて高い水準にとどまっています。