群馬県は全国でも指折りの「レトロ自販機大国」として知られています。その中でもレトロ自販機の聖地・群馬を象徴するフラッグシップとして君臨するのが、群馬県藤岡市に店を構える「ドライブイン七輿」です。周囲をのどかな田園と古墳の木々に囲まれた一角に、ノスタルジックなトタン屋根と看板が今も堂々と佇んでいます。
店内へ足を踏み入れると、タイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。オレンジ色のランプが点滅する麺類自販機、銀色のアルミ箔に包まれて焼き上がるトーストサンド機、そして昭和後期の雰囲気をそのまま残したゲームコーナー。コンビニエンスストアの無機質な利便性とは対極にある「機械越しに伝わる作り手のぬくもり」が、デジタル社会に生きる現代人の心を捉えて離しません。
ドライブイン七輿の現在・状況を現地で確認すると、週末には県外ナンバーのツーリングバイクや家族連れ、長距離トラックがひっきりなしに駐車場へ滑り込みます。50年近く前の精密機械が今なお滑らかに作動し、温かい食事を提供し続けている背景には、店主ファミリーによる気の遠くなるような日々の点検と手作りの仕込みが存在します。