劇場が位置する場所そのものにも、深い歴史が刻まれている。春の風物詩「都をどり」で知られる祇園甲部歌舞練場の敷地内に佇む弥栄会館(ギオンコーナー)は、昭和初期の近代建築の面影を残す有形文化財だ。
この施設を運営面で支えているのが、公益財団法人京都伝統伎芸振興財団(通称・おおきに財団)である。財団は花街の文化保全や後継者育成を担っており、劇場の舞台は若手実力者の研鑽の場としても機能している。入場料の一部は京都の伝統芸能産業の維持と発展に直接還元される仕組みとなっており、観客は鑑賞を通じて文化の継承に参画することになる。