だが、この「狭さ」と「ドライな接客」は、決してコスト削減だけの産物ではない。アパグループ創業者である元谷外志雄代表と、その顔として知られるアパホテル株式会社の元谷芙美子社長が掲げてきた「新都市型ホテル」の基本思想そのものだ。二人が追求したのは、無駄な空間を排除し、ベッドの上ですべての操作が完結する機能美。炭酸ガス排出量を抑える環境配慮型のコンパクト設計でもある。
ビジネスホテル業界において、同社は徹底的な空間効率化と立地重視のドミナント戦略で競合を圧倒してきた。客室は寝るためだけのコックピットと割り切り、浮いたコストを大型液晶テレビや高品質ベッド、快眠枕、大浴場の設置へと再投資する。つまり、アパホテルの設計思想を理解せずに泊まった者ほど、「狭くてサービスが悪い宿泊施設」というネガティブな烙印を押してしまう構造なのだ。