角替和枝さんのキャリアを語る上で欠かせないのが、劇団つかこうへい事務所を経て参加した「劇団東京乾電池」での活動だ。1970年代から80年代にかけ、アングラ演劇の熱気が残る小劇場界で圧倒的な異彩を放った。型にはまらない自由で力強い表現力は、舞台演劇の枠組みを飛び越え、すぐさま映画やドラマ関係者の注目を集めることとなる。
どこにでもいそうな親しみやすさを持ちながら、狂気や凄み、人間くささを漂わせるその演技はまさに唯一無二。脇役に徹しながらも強烈な印象を残すスタイルを確立し、日本のエンターテインメント作品になくてはならない「名脇役」としての地位を揺るぎないものにした。